札幌駅前通りと大通公園が交差する、200万人都市・札幌のまさに中心地にある地下空間。地下鉄大通駅にあるこのコンコースは、日々多くの人が行き交う街の結節点です。そのコンコースは広場スペースとしての利用が想定されたエリアで、ベンチが置かれ、街を歩く市民の一時の休息の場となっていました。

しかしながら、そんな市民の憩いのスペースであるはずのこの場では、飲酒目的で若い人たちの集団がたむろしており、トラブルも多い場でもありました。そして、2023年4月下旬、1つの事件が起きました。鉈を持った男がベンチなどを壊した上、酒瓶を地面に投げつけるなどして暴れ、取り押さえられたのです。男は「この場所でたむろしている人を立ち退かせ、成敗するためにやった」と供述しました。

事件直後は規制線が張られて立ち入りすらできない状況に。しばらくして規制線は解除されましたが、ベンチは撤去され、以降この場所は広場としては利用されない状況が続いていました。しかし、ベンチが撤去されたにも関わらず、飲酒目的のたむろなどは続いているそうです。

このプロジェクトは、札幌の”ど真ん中オブど真ん中”であるこの地下コンコースを、改めて市民の憩いの場に戻していくためのきっかけづくりとして展開しています。

利用に消極的な場となってしまったこのスペースを、「アートの設置」という活用事例を通して小さく動かしていくことから始め、更なる利用を促し、市民の憩いの場としての活用につなげていければと考えています。

NoMaps実行委員会／NTTデータ北海道株式会社