NoMaps2021

ご挨拶

NoMaps実行委員長伊藤 博之

伊藤 博之

社会が”大きな辛抱”から立ち直るための鍵は、2つの抗体にある。1つは言うまでもなく新型コロナウイルスの抗体。そしてもう1つは、テクノロジーに対する抗体だ。コロナ禍により、地方でもオンライン会議などが積極的に実施されるようになった。テレワークも社会にすっかり定着してきた。これは北海道のように距離が制約になっていた人や地域にとっては良い変化で、東京の会社に勤めながら北海道に移住することもできるし、北海道の企業が世界トップクラスのエンジニアに仕事をお願いすることもできる。物理的距離の制約を受けずに暮らす場所や仕事を選べることは、きっと北海道に良い効果をもたらすはずだ。

最たる活躍の場が“3密“のライブステージだったミュージシャンは、コロナ禍で行き場を失ったかに見えた。しかし、テクノロジーを活かした、自宅やガレージなどから配信するカジュアルなオンラインライブが現在人気を博している。視聴者数はリアルの観客数よりも多い。なぜならオンラインライブの入口は世界に開けているからだ。

テクノロジーを信じること、採り入れることは、アフターコロナの社会の正しい姿勢だ。ビフォーコロナの社会を回顧し、逆戻りしようと思わないことが大事だ。テクノロジーを積極的に活用して、社会をアップデートしていくことが重要だろう。

NoMapsを始めたのも、元々はそんな着眼点からだ。この広い北海道で、社会をアップデートするための様々な実証実験・社会実装を重ねてもらい、その過程でこの地から挑戦・起業する人が増えていけばいいと考えた。北海道を新しい技術やアイデアを基にしたチャレンジが数多く生まれる土地にしようと、産官学が連携して2016年から始めたイベントでありムーブメントが、この【NoMaps】である。

依然として視界が晴れないコロナ禍だが、漫然と不安がるのではなく絶好の変化の機会と捉え、多様で新しい社会の姿を提起していくことがNoMapsの役割だと考えている。オンライン開催2回目となるNoMaps2021にぜひ期待してほしい。