2015年、国連総会で採択された「我々の世界を変革する：持続可能な開発のための2030アジェンダ」が発表され、行政、企業、市民団体など様々な組織によるSDGsに関わる活動が活発化しています。その一方で、 「SDGsは複雑で分かり難い」「結局、何をしたら良いかわからない」と言った意見や、私たちの暮らしと遠い問題については、自分ごととして捉えにくい現状があると思います。

世界181カ所にある、国連大学により認定された「持続可能な開発のための教育に関する地域拠点（RCE）」は、こうした現状を打開するため、「教育」を軸に多様な関係者が協力することでSDGs達成を目指す団体です。2015年、北海道にもRCE北海道道央圏が立ち上がり活動しています。
いかにSDGsにある社会の課題を自分ごとにし、取り組むことができるか？
今回はそのヒントを映像・アニメーションに求めてみたいと思います。

札幌・北海道で長く続く2つの国際映画祭、「札幌国際短編映画祭」「新千歳空港国際アニメーション映画祭」には、毎年世界中の国と地域から、数千もの最新映像作品が届きます。その作品の中で描かれる、貧困、紛争、ジェンダー、幸せとは何かといったメッセージ…、そこに「自分ごと」に繋がる糸口があるのではないか？

RCE北海道道央圏 事務局長 有坂美紀さんと、今年16回目となる「札幌国際短編映画祭」のマネージングディレクターを務める本間貴士さん、空港を舞台に開催される世界的にも珍しい映画祭である「新千歳空港国際アニメーション映画祭」のチーフ・ディレクター 小野朋子さんと、社会課題を自分ごとにするための、映像・アニメーションが持つ可能性について意見交換します。

開催概要

登壇者

有坂美紀（RCE北海道道央圏 事務局長）

1978年東京生まれ。水産業界紙記者、環境団体での協働コーディネーターを経験し、中南米大陸を縦断。豪州、スリランカ、被災地などでNGO活動に従事し、国連大学認定の持続可能な開発のための地域拠点・RCE北海道道央圏協議会を設立、事務局長に。フェアトレードタウンさっぽろ戦略会議事務局長、酪農学園大学／東海大学非常勤講師などを兼任。2020年、北海道大学理学院科学コミュニケーション講座修了

小野朋子（新千歳空港国際アニメーション映画祭 チーフ・ディレクター）

1976年札幌生まれ、札幌市在住。新千歳空港国際アニメーション映画祭設立時より現在まで、チーフ・ディレクターとして参加。北海道内にて上映事業やワークショップの企画制作も多数行う。これまでに札幌国際芸術祭2017コーディネーター、主な事業に「札幌爆音映画祭」（2019年～、札幌市）、映画監督による講演シリーズ「映画へと導く映画」（2020年～、札幌市）など。

新千歳空港国際アニメーション映画祭

北海道と世界を結ぶゲートウェイである新千歳空港ターミナルビル（北海道千歳市）を会場とした、アニメーション専門の国際映画祭です。

第8回目となる今回は、空港会場での実地開催のほか、オンライン配信を行うハイブリッドでの開催を行い、アニメーションの「今」に触れるエキサイティングな体験をお届けします。

｜実地開催・トークライブ ：2021年11月5日(金)〜 8日(月)
｜オンライン上映：2021年11月9日(火)〜19日(金)

本間貴士（札幌国際短編映画祭 マネージングディレクター）

2000年から札幌で映画祭運営に関わる。2006年から札幌国際短編映画祭実行委員、翌年から事務局長。2016年からはNo Maps実行委員会事務局 映画際担当。映画際マネージングディレクター。海外交渉の他に制作全般にも関わる。近年はスペイン、カナダ、シンガポールの映画祭で審査員を務める。その他に1999年から現代美術作家の制作支援を行うアーティスト・イン・レジデンスの運営にも関わり、現在はアートNPOの特定非営利活動法人 S-AIR理事。

札幌国際短編映画祭
日本最大級の国際短編映画祭。毎年3000作品を超える新作短編作品がインターナショナルコンペティションに応募され、毎年業界を代表するプロフェッショナルが国際審査員を務める。2019年からカナダアカデミー賞の公認映画祭となっている。

｜オンライン上映：2021年11月12日(金)〜12月5日(日)
｜特別上映会：2021年11月19日(金)〜21日(日)