北海道大学CoSTEP「宇宙はスペースがたりない 〜人工衛星をおびやかすデブリ〜」活動レポート②

Date : 2020/01/09

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この記事は、北海道大学CoSTEP「宇宙はスペースがたりない 〜人工衛星をおびやかすデブリ〜」の活動レポートです。
活動レポート①  総集編
活動レポート②「ワープスペースに行こう!」
活動レポート③「JAXAに行こう!」
活動レポート④「講談社に行こう!」
 

2019年度CoSTEPメディアデザイン実習 課外特別演習「ワープスペースに行こう!」

2019年7月 メディアデザイン実習 川辺晃太郎、小池隆太、佐藤淳治、中島優花、星崎真由美

2019年度CoSTEPメディアデザイン実習では、10月に行われるNoMaps2019に宇宙を題材としたテーマで企画を行います。今回はそれに先立って、協力してくださっている株式会社ワープスペースさんを訪問、打ち合わせしてきました。

ワープスペースさんは、小型衛星の安価な打ち上げや地上局の設置によって衛星通信インフラ事業を行う茨城県つくば市にある会社です。CoSTEPの方には衛星からの電波を受信する地上局の提供や技術的な面でのサポートをしてくださっています。今回は実際に地上局を見学した他、企画について少し話したあと筑波大学学食で社員の方々とお昼を食べたりと、かなり中身の濃い訪問でした。




実習スタートの時からお世話になっているのが、CEOの常間地悟さん(写真左から4人目)と技術運用部長の関正徳さん(写真左から3人目)です。今回の訪問でも丁寧に対応してくださいました。

企画内容をイメージしながら

地上局の見学の際には、実際に地上局をどのように操作するのか、そしてどのように動くのかを見せていただきました。地上局本体は小さな箱くらいですが三脚やアンテナと組み合わさることでなかなか存在感があり、衛星にあまりなじみがなかった身としては、これで衛星とつながれるのか…とすごく不思議な感覚にもなった時間でした。また、これはスマホにアプリを入れることで簡単に動かすことができる手軽さもあります。




また、今回の企画では衛星とその電波を利用した作品を作り上げるということが重要なテーマでもあります。その上でカギとなってくるのは、宇宙を題材としたイベントの中に、衛星から受信した電波データをどのように絡めていくかという点です。過去にワープスペースさんの方で行った電波データを利用したイベントのお話を聞いたりしましたが、今回自分たちがどのように活用していくべきなのかは、今後さらに煮詰めていく必要がありそうです。


 

ワープスペースさんの活動とそれを支える人たち

ワープスペースさんは地上局の設置や小型衛星を安く打ち上げることによるインフラ事業を行っていますが、一方で「宇宙を身近に」をテーマにしたプロジェクトをされていたこともあります。今はどのように考えてその点に取り組んでいるのか伺ったところ、現在フォーカスしている通信分野も、離れた空間や物、人をつなぐという意味で「宇宙を身近に」する大きな手段の1つであると教えていただきました。そんなワープスペースさんは、1970年の大阪万博の年にアポロ13号が月面着陸を果たしたように、次回2025年の大阪万博を1つのマイルストーンにして今後も事業を進めていくとのことでした。

今回の訪問の主な目的からは離れますが、個人的に最も驚いたのは、スタッフの方々の年齢です。自分とそう変わらない年の人たちが先端分野で仕事をしている事実に衝撃を受けました。その内容も、衛星を冷やす技術であったり宇宙船から衛星を射出するときの摩擦を考えてのものであったりと、自分の分野である農学とは全く異なるため今まで考えたこともないような興味深いお話の連続でもありました。



企画でできること、当日使う予定の機材、それらを学ぶ目的での今回の訪問ですが、それ以上に自分が知らないことの多さに圧倒されてしまいました。普段宇宙について触れる機会はそれほど多くないため、貴重な経験になりました。また、企画当日、今度は自分たちがそれを提供する側になるのだということも考えさせられた訪問だったと思います。
改めまして、ワープスペースのみなさん、ありがとうございました。