ウェビナーシリーズ「Deep Dialog」第4回レポート

Date : 2020/09/24

Shere :

 NoMapsウェビナ―シリーズ「Deep Dialog」では、私たちを取り巻く環境が大きく変化する中、これからの未来を切り開く方々をゲストに招き、今後の行動のきっかけとなる創造的なコミュニケーションの場を目指しています。
この記事では9月1日に配信した第4回目配信をレポートします。ぜひダイジェストムービーと合わせてご覧ください。




 第4回のテーマは「飲食業」。新型コロナウイルスの影響で、飲食業は大きな打撃を受けました。北海道でもすすきのをはじめ、多くの飲食店が経営存続の危機に立たされました。今回は「札幌市飲食店未来応援クラウドファンディング」に携わる皆さんにお越しいただき、コロナを乗り越える方法について語りました。

鈴木 慎也さん(株式会社esエンターテイメント代表取締役 / es village 村長)
伊藤 翔太さん(株式会社トリプルワン代表取締役社長)
穴田 ゆかさん(株式会社ACT NOW代表取締役)

開催概要&ゲストプロフィールはこちら
 

「札幌市飲食店未来応援クラウドファンディング」立ち上げのきっかけ

 緊急事態宣言が全国に先行して北海道で発令された日、伊藤さんは狸小路のあまりの人の少なさに驚いたそうです。クラウドファンディングプラットフォームを運営する穴田さんに電話をかけ、飲食店を救うアイディアを話したところ、esの鈴木さんも同じ相談をしていると聞きました。すすきのでお店を経営している鈴木さんは、多くの飲食店が危機的状況に陥っているのを目の当たりにし、集まって声を上げるべきだと考え、穴田さんに相談していたのです。
 そこで、伊藤さん、鈴木さん、穴田さんの3人で話し合う場が設けられ、その翌週にはクラウドファンディング開始という猛スピードでがプロジェクトが始動しました。この取組みがテレビ番組で取り上げられたことで全国から連絡を受け、各地で札幌を模したクラウドファンディングが立ち上がりました。遂には札幌市から正式に依頼を受け、「札幌市飲食店未来応援クラウドファンディング」が開始となりました。
 

予想をはるかに上回る参加店舗数

 伊藤さんはプロジェクト立ち上げ当初、参加店舗は知り合いを含め50店舗程度あればよいと思っていたそうです。しかし、予想をはるかに上回るペースで多くのお店からクラウドファンディングへの参加意向が寄せられました。9/1に開始した第3弾のクラウドファンディングでは、開始からたった7時間で870件ほどの飲食店が参加、支援金は4447万円と、とてつもない勢いです。
 参加している店舗のほとんどはコロナが始まってから売り上げは激減しており、中には売り上げが9割減というお店もありました。その中にあって、ファンがいるお店は支援が集まりやすく、存続を願うお客さんが自発的に動く場所もありました。コロナによって、お客さんとの関係をどのように築いてきたかが明瞭になっています。

月ごとに状況が変わるスピード感

 クラウドファンディングを運営する穴田さんによると、プロジェクト開始後、飲食店からは「闇しかない状況で希望の光に感じられた」など多くの前向きな反応があったそうです。また支援者の方々からは、「お店を支援したくてもお店に行けないので支援する方法を提供してもらって嬉しかった」という声が届いています。この運動は、札幌以外の釧路、登別、砂川、紋別、稚内など全道にも広がりつつあります。
 穴田さんは、こうした運動はとにかくスピード感が大事だと言います。月ごとにフェーズが違うため、クラウドファンディング上でもその状況に合わせて新しい対策を打ち出していくことが、支援が集まるかどうかの要となります。
 

コロナ時代の飲食店経営

 コロナの影響を受け、飲食店の経営の方法は変化していくかもしれません。コロナが流行りだした当初、鈴木さんは自分のお店でデリバリーサービスや総菜の販売を開始しましたが、それで土地代を賄うのは限界がありました。そこで鈴木さんは、昼間使っていないお店のスペースに新しい価値を創っていこうと考えました。穴田さんや伊藤さんとも相談し、みんなが集まる『村』を作るというアイディアが誕生しました。具体的には、一人1万円で一か月、そのスペースをコワーキングスペースとして使えるというもので、8月には43人が集まりました。9月1日に、“年貢”(会費)を集めて、正式に“開村”しました。
 また鈴木さんは、今後は“人”が主役となっていくと考えており、飲食店としてはかなり早い段階でYouTubeにアカウントを開設しました。社長とスタッフが普段どう考え、困難にあった時どんな姿なのかを見せていく。お金をかけて集客するだけでなく、自分たちの力で集客していく。さらには使っていなかった時間や空間に価値を見出し、有効活用する。そういった臨機応変な姿勢がコロナ時代を生き抜くには必要なのかもしれません。
 

まとめ

 目まぐるしく状況が変化していくコロナの時代には、その時々に合わせて戦略を変化させていくスピード感が非常に重要です。時には集まって大きな一つの声をあげたり、従来は価値のなかったものに変化を与えて価値を創り出したりなど、新しいアイディアがコロナ時代を生き抜く飲食店の武器となっていく可能性があります。
 

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