NoMapsが展開するウェビナ―シリーズ「Deep Dialog」。私たちを取り巻く環境が大きく変化する中、これからの未来を切り開く方々をゲストに招き、今後の行動のきっかけとなる創造的なコミュニケーションの場を目指しています。
この記事では2021年4月28日に開催された第7回配信についてレポートします。
今回は2020年10月に開催されたビジネスプランコンテスト『NoMaps Dream Pitch』(主催 経済産業省北海道経済産業局)でNoMaps賞を受賞した桂 ⼤地さんにお話を伺いました。
桂 大地さん
北海道大学大学院 情報科学院 情報科学専攻 情報理工学コース博士課程修了
(独)IPA 未踏IT人材発掘・育成事業 2018年「スーパークリエータ」認定
R-Make~IT を活用したボルダリングコースの自動生成
注目度が年々と上昇しているボルダリング。実際に国内のボルダリングジムはここ10年程で約5倍に増加しています。さらに2020年東京オリンピックからは競技種目にも追加され、2024年パリオリンピックでの採用も確定し更なる盛り上がりが期待されます。その一方で新型コロナウイルス感染症拡大による煽りも受けており、各種大会の中止やボルダリングジムの閉鎖といった状況が続いています。特にボルダリングは室内競技であることから、感染症対策の徹底も求められます。
その状況下で需要が増加しているのが個人所有向けのプライベートウォール。昨年から世界の大手メーカーが続々と発売を開始しているそうです。実際に、桂さんがクライマーに向けて行ったアンケートでは83%が「自宅にボルダリングウォールが欲しい」と回答しました。しかし実際にボルダリングウォールを所有する人はそのうち僅か8%と、普及に繋がっていないのが現状。理由としては、自宅に設置するには大きすぎるサイズと高額な費用が挙げられます。その弱点を克服するサービスが「MAーWall」です。
桂さんは緊急事態宣言下でクライミング施設が閉鎖される中、自宅にプライベートのクライミングウォールを設置するアイデアを思いつき、そこから構想を広げていったそう。そのため、クライミングを一般家庭に導入するための様々な策が講じられています。
例えばウォールのサイズ感についてクライマーにアンケートを行ったところ、自宅設置の場合高さは2m程度で満足が得られる一方、横幅はゆとりある尺を求めていることが判明。そこで桂さんは横方向に収納可能で、ウォール使用時には十分な横幅を確保しつつも収納時には一畳程度に抑えられるウォールを開発しました。また、ほとんどが輸入品であるため今まで高額だったホールドについては、作り手と直接契約を結ぶことで安価で安定した供給を実現させました。
ホールドをウォールに配置する作業には、熟練したスキルが求められます。そのため多くのウォールでホールドの配置は固定的であり、初心者から上級者までが同じ配置でクライミングしなければいけません。自由度が高くクライマーの熟練度や体格に合ったホールド配置を実現させるため、桂さんはホールドの難易度を定量化しユーザーに合わせた配置をAIが提案するアプリケーションを開発。簡単な操作で誰でもクライミングコースを作成できます。
このコース作成支援の仕組みは、実際に美唄市体育センターで1年間の実証実験を実施し、PR大会も開催。また、ウォールとホールドについてもボルダリングジムグラビティリサーチ札幌にて1ヶ月の実証実験を行い、多くのクライマーからフィードバックを得たそうです。
この記事では2021年4月28日に開催された第7回配信についてレポートします。
今回は2020年10月に開催されたビジネスプランコンテスト『NoMaps Dream Pitch』(主催 経済産業省北海道経済産業局)でNoMaps賞を受賞した桂 ⼤地さんにお話を伺いました。
桂 大地さん
北海道大学大学院 情報科学院 情報科学専攻 情報理工学コース博士課程修了
(独)IPA 未踏IT人材発掘・育成事業 2018年「スーパークリエータ」認定
R-Make~IT を活用したボルダリングコースの自動生成
ボルダリングの現状
桂さんは趣味であるボルダリングの普及と発展をミッションに、ボルダリングウォールのサブスクリプションサービス「MAーWall」の開発を行っています。注目度が年々と上昇しているボルダリング。実際に国内のボルダリングジムはここ10年程で約5倍に増加しています。さらに2020年東京オリンピックからは競技種目にも追加され、2024年パリオリンピックでの採用も確定し更なる盛り上がりが期待されます。その一方で新型コロナウイルス感染症拡大による煽りも受けており、各種大会の中止やボルダリングジムの閉鎖といった状況が続いています。特にボルダリングは室内競技であることから、感染症対策の徹底も求められます。
その状況下で需要が増加しているのが個人所有向けのプライベートウォール。昨年から世界の大手メーカーが続々と発売を開始しているそうです。実際に、桂さんがクライマーに向けて行ったアンケートでは83%が「自宅にボルダリングウォールが欲しい」と回答しました。しかし実際にボルダリングウォールを所有する人はそのうち僅か8%と、普及に繋がっていないのが現状。理由としては、自宅に設置するには大きすぎるサイズと高額な費用が挙げられます。その弱点を克服するサービスが「MAーWall」です。
ボルダリングウォールサブスクリプションサービスとは?
昨年のコンテスト時点では、ボルダリングのコースを自動生成するアプリ「R-Make」の開発を行っていた桂さんですが、現在はその「R-Make」も内包する家庭用ボルダリングウォールのサブスクリプションサービス「MAーWall」として展開しています。この定額制サービスには、<ボルダリングウォール><ホールド(ウォールに取り付ける突起物)><アプリケーション>の3つがパッケージされています。桂さんは緊急事態宣言下でクライミング施設が閉鎖される中、自宅にプライベートのクライミングウォールを設置するアイデアを思いつき、そこから構想を広げていったそう。そのため、クライミングを一般家庭に導入するための様々な策が講じられています。
例えばウォールのサイズ感についてクライマーにアンケートを行ったところ、自宅設置の場合高さは2m程度で満足が得られる一方、横幅はゆとりある尺を求めていることが判明。そこで桂さんは横方向に収納可能で、ウォール使用時には十分な横幅を確保しつつも収納時には一畳程度に抑えられるウォールを開発しました。また、ほとんどが輸入品であるため今まで高額だったホールドについては、作り手と直接契約を結ぶことで安価で安定した供給を実現させました。
ホールドをウォールに配置する作業には、熟練したスキルが求められます。そのため多くのウォールでホールドの配置は固定的であり、初心者から上級者までが同じ配置でクライミングしなければいけません。自由度が高くクライマーの熟練度や体格に合ったホールド配置を実現させるため、桂さんはホールドの難易度を定量化しユーザーに合わせた配置をAIが提案するアプリケーションを開発。簡単な操作で誰でもクライミングコースを作成できます。
このコース作成支援の仕組みは、実際に美唄市体育センターで1年間の実証実験を実施し、PR大会も開催。また、ウォールとホールドについてもボルダリングジムグラビティリサーチ札幌にて1ヶ月の実証実験を行い、多くのクライマーからフィードバックを得たそうです。